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NCO@Ver.2.1.1:オリエンテーリングについて淡々と何か書いてます

November 18, 2004

ノルウェーから見た日本

以前(2000年末)来日したこともある、Bjørnar Valstad(1999年スコットランドクラシカル優勝)(奥さんでもあるHanne Staffと共に来日、彼女は1997年ノルウェークラシカル優勝)が、ノルウェーの彼らのサイト、www.staff-valstad.comにおいて日本の紹介をしています。「How to be Big in Japan?」と題して日本対策や日本の文化について触れていますので全文和訳してみました。(と言っても友人から依頼を受けたからです。)相当に長いですが、訳が間違ってるなどあればコメントなどでどうぞ。

実際のページ(訳前)はこちら(How to be Big in Japan? (english version))

How to be Big in Japan? 日本でいい成績を残すには

写真下

日本でこんな綺麗な夕焼けを見たら、忘れられないね

ノルウェーチームは日の出ずる国への道筋を既に描いています。次の世界選手権への準備はもう既に進行中なのです。

来年行われる世界選手権は、今年の(WOC)とは180度違うものになるでしょう(地理、気候、テレイン、組織、メディアの存在(注目される数?)、foot(訳者注:おそらくfoodの誤植)、飲み物、宿泊施設、文化など、事実ほとんど全てが選手たちが今年のスウェーデンで経験したものとは違う)。そんな来年のWOC、準備はどうするべきなのでしょうか?

来年のWOCに向けてどう準備するべきか我々が考えていることをここでこのページの読者と共に分け合いたいと思います。日本でのWOCに向けて、どう準備していくべきでしょうか。

今回から「How to BIG in Japan(日本で"ビッグ"になるには)」と題したシリーズを掲載します。

内容は以下。

1:WOC in Japan、それは全面的に今までのWOCと違います。地形、気候、文化、食事、宿泊、そして生活習慣について。

2:WOC in Japan、それはタフで(今までとは)違った挑戦となります。地図とテレインについて。

3:WOC in Japan、WOCにおけるオリエンテーリングのテクニック(訳者意訳:結局はWOCなのです)。

4:WOC in Japan、よいルートチョイスとは?

How to BIG in Japan. Part1

O(rienteering)-country(としての)日本を簡単に見ていきます。地形、気候、文化、食事、宿泊施設、そして生活スタイルについて。

メジャーな選手権で成功するためには、ホスト国の持つ幅広い情勢に適応する力が必要です。地図やテレインに精通することは当然必要とされます。しかし、それらに精通している場合でさえ、多くの本命選手が失敗しています。彼らは異なった文化、食事、生活状態の形でもたらされる外的要因には通じていなかったからです。この点において、選手たちは多くの新しいチャレンジを日本でのWOCで感じることでしょう。アジアでの選手権は、ホームグラウンドである北欧でのそれとは全く別種のものとなります。このシリーズの最初の記事では、この国の他とは違った特徴の一部をちょっとだけ詳しくみていきます。

The o-country Japan.

日本では、オリエンテーリングは1966年にレクリエーションスポーツとして紹介されました。初めての大会は1969年に東京の近くで行われました。最大級のイベントは1000人から2000人の選手を集めています。

日本のナショナルチームのメンバーは日本のホームテレインの中、高いレベルで競技をしていますが、世界的イベントにおいては、同じレベルの力を発揮するのに苦労して来ました。世界選手権での最初の日本人選手は、1976年スコットランドで行われたWOCで走った杉山隆氏でした。

日本には合計約5000人のオリエンティアと200近くのオリエンテーリングクラブがあります。O-Mapはおおよそ600から650が存在しています。他の多くの国でそうであるように、初めての日本のO-Map(1973年作)はスウェーデンのマッパーによって描かれました。日本人によって描かれる初のO-Mapが完成するのはその翌年のことです。

Aichi and Tsukude Village

WOC2005は約400キロ東京から西へ行った「州」、愛知で行われます。最大の都市は名古屋、日本で三番目に大きい大都市です。基本的に、海岸沿いの平野上で数十キロ四方に都市特有の不規則な広がりを持った典型的大都市です。

以下日本地図と愛知の位置説明。

実際のWOCイベントの中心は「三河高原」と呼ばれる内陸の山地の中に位置し、そこはまぶしい都市の光を放つ名古屋とは対照的です。町は愛すべき田園風景に囲まれ、アウトドアスポーツには素晴らしい機会を与えてくれます。そこではあまりやることが無いのはさておき、作手村は「愛知の軽井沢」として日本では知られています(つまりは最も人気のある場所)が、その理由は明らかにはなっていません。

愛知県は2005年8月に行われる万博の開催地になっており、WOC2005実行委員会はこの万博に協賛(協力?)しています。そういうわけで、8月に行われる世界選手権は日本で計画された今までで初めてのオリエンテーリングイベントの一つとなるでしょう。一年のこの時期、日本人は通常オリエンテーリングレースは避けますが、それほど8月は暑くなります。

以下作手(?)の写真

ノルウェーと日本の間にはいくつか類似点があります。その一つは、地形学的な点から、両国はだいたい同じような国土面積を持つ典型的山国ということです。つまり両国は同じようなサイズを持つ国ということです。しかし類似点はそのくらいです。

人口についてはノルウェーがたった450万に対して、日本の住んでいるのは1億2800万を超えています。実に驚いたことに、ひとたび海岸部を離れてみると地方は比較的人口密度が少ないように見えます。これは人口の90%が海岸線に沿った薄いベルト地帯に住んでいるからです。このベルトは海から30キロの地域に広がっています。森林や山はそびえたって海岸を背にした風景を見下ろしています。一番高い山脈は海抜3000メートルを超えてそびえ立っています。その中でも最も高いのは富士山(火山)で、3800メートルであり、実に印象的な風景をもたらし日本のシンボルです。

以下富士山と田園風景の写真

日本(の土地)は膨大な量の目の詰まって無い柔らかな土壌からなります。この特性はWOCテレインにおいても顕著となっています。全体のエリアは、大小のみぞやあちこちに分岐した沢など実に驚くべき多様性により細かく分類されます。溝は絶えず変化する状態にあり、たとえ日本人が浸食障壁をほぼ全ての渓谷や河床で作図してきたとしても(変わっている可能性もあります)。

日本では気候はノルウェーより多様に変化します。冬は寒く、多くの雪も降ります。近年はしかし、冬の間でも海抜7-800メートル以上のテレインで走ることは可能です。

夏はヨーロッパに比べ暖かく湿っています。地方紙によれば気温は30~35度まで上がるのが7,8月の平均となります。加えて、空気の湿度は大変高いです。

太平洋からの風は暖かい空気を山に向けて送り、5,6月には多くの雨をしばしば降らせることになります。WOC選手にとってはこの新しい環境になれることが実際の問題となるでしょう。夏の間の平均気温はゆうに30度を超え、相当きつい傾斜と高低差にあいまって、来年のWOCアスリートにとってタフなチャレンジを要求するでしょう。

言い換えると、日本の気候は去年のスイスでのと同じように結果に重大な影響を及ぼし得ます。きっちり十分な暑さ対策を選手がしなかった場合は特に。

公式の統計によれば、作手村のような山間部ではややそれよりは涼しくなるでしょうが、地元紙によると、その季節が始まると暑さと湿度でひどく消耗してしまうとあります。日本に住んでいたことのあるスコットランド人のオリエンティア、Nail Marstonによれば、ただその辺を歩くだけで8月はひどく消耗したそうです。

Food and accommodation

"Western style" "Japanese style"というような言葉は日本を訪れていれば、近いうちに確立された概念となるでしょう。それは様々なところで当てはまります。トイレ、宿泊、そして食事。ほとんどは地面に座ってやることになります。。。

食べ物と飲み物は日本全国を通して安全です。水を飲むことは通常蛇口から直接飲んでもいいですが、おそらく初めに地元紙やガイドで大事を取って確かめたほうが無難でしょう。都市部ではそれほど問題ではありませんが、山間部の地元宿泊施設での水はおそらく地表水からでしょう、そしてそれ故潜在的リスクも抱えています。

日本での食事習慣は“Westerners”とは少し何かが違います。米は全体を通して様々な形で毎回の食卓に出される主食です。

日本人で無い我々のほとんどにとって違和感を感じるのは、小分けにされた皿にそれぞれ違う味の料理が乗ってることであり、西欧人の胃袋にとっては奇妙に映ります。しかしながら、料理はマイルドで刺激は少ないです。ほとんどの人はそれについてを少し刺激がない、味が物足りないと思うかもしれません。

個人的には日本のものを含むアジアの食べ物は本当に好きですけどね。

以下日本の食卓の写真

海草と様々な海からの生産物は料理を"spice up(塩辛くする?)"のに使われ、何か違った感じを与えてくれます。けれど料理は消化のしやすいものです。

寿司(日本の代表的な料理)はお勧めです。自国にある「寿司バー(訳者注:海外ではこういう表現)」にぜひ行ってみてください。様々な10種のちっちゃなネタが一人の前にそれぞれ運ばれてきます。

ハンネ(スタッフ)と私ビョルナー(ヴァルシュタ:このページの筆者)は二人とも古くからの伝統的な日本の食事にチャレンジしてみる幸運に恵まれました。とりわけ、私たちは水田でうなぎを獲りに行き、火で炙って食べました。釣竿は必要と言うわけでもなく、鋤(?)で獲ったんです!うなぎが実際泥の中で埋まっているのです。加えて私たちは固められ(?)、そしてマリネにされた生魚(丸ごと一匹)、白子のマリネ、干して固めて(?)揚げられたイナゴ、若い蜂(?)、蜂の子、そして他の同種のスナックも!ほとんどは世界選手権直前に食べるには適切なものではないですが…。

提供される食事の量も隠れた問題となるかもしれません。ノルウェー人は日本人より多く練習し多く食べます。ほとんどの食事の種類が日本では買えますが、良質の小麦製品とcrisp bread(薄いビスケット)は常に簡単に手に入るとは限らず、価格も高いことが多いです。

食事はほぼ毎回箸を使って食べます。ただナイフとフォークも尋ねれば持ってきてもらえます。でも箸を使ったほうがきっと面白いと思いますよ。

日本では(食事の時)普通は床の上に座ります。椅子の上に座ることはそんなにありません。床に座るやり方には二種あります。行儀のよいやり方(正座?)、またはリラックスした方法です。腰の堅い西欧人にとっては三つ目のやり方もあります、ほとんど寝転がってるようなものですが…。

Accommodation

宿泊施設は日本式と西洋式両方選べます。日本式は床の上で、西洋式は普通にベッドで寝ます。しかし、床で寝るのにも何の問題もありません。マットレスと質のよい羽毛布団は(日本は冬国で、よい冬用の羽毛布団があります)、安物とは程遠く、西洋式のホテルに滞在するのと遜色ありません。

以下布団の写真

Cold rooms

我々ノルウェー人が慣れてない(冬は特に)のは室内暖房についてです。ノルウェーでは全部屋が暖かくされています。対して日本ではほとんどの部屋が寒いのです。リビングだけが暖房が効いています。暖房は普通はガスストーブでなされ、大変効果的です。加えて机の下にはヒーターが付いてます(訳者注:おそらくコタツ)。足を中に入れれば、たとえ部屋の他のところが寒くても、心地よく暖かいでしょう。

Baths

シャワー(ルーム)なのは珍しいです。けれど日本人が風呂(湯船)にほとんどどこでも入るのはすぐ分かると思います。これはとてもいいことです。まず座って体を洗い、様々な種類、水風呂や色々な温度(ぬるま湯から火傷するほど)の風呂の湯船に身体を沈めます。疲れた筋肉(身体)には最高です。

以下風呂や銭湯の写真

And finally the toilets...

背の高い男性にとって、知りたいことでしょうから触れておかずにはいられませんが、高さは重要です。それはたとえ筆者が(背が高すぎて)小便器に届かなかったとしてもね。。。

Summary

アスリートとしての視点から見て、日本は訪れやすい国です。全ての重要な条件には比較的適応しやすい。食事や飲み物も得やすく、我々の国と同じ質を揃えています。日本人オリエンティアは友好的で親切だし、そのおかげでトレーニングマップを得る助力を仰ぐのも簡単です。言葉はもちろん大変な壁ではあり、地元(ノルウェーからの)ガイド(ブック)は日本訪問後有益な旅をするのに必要です。

日本の風呂、そして食事を楽しんでください。日本では多くの挑戦をするでしょうが、そのほとんどは良種のものであり、人生を面白くしてくれるものでしょう!選手権に向けてトレーニングするのに悪い場所では全くありません!

次回は日本の地図とテレインについて。



これで訳は終わりです。相当に意訳が入ってますがなんとなく彼らによる日本の紹介の感じはつかめたかと思います。食事のイナゴうんぬんがひどい気もしますが、変な誤解は比較的少なく感じました。トイレの欄に関してはもうちょっといい訳ができるような気がします。うーむ。

追記:訳を教えてもらったので少し改善しました。また、補足ですが、今期のWorld Cup Event ではBjørnar Valstad 氏はWOCLong(9/16)で、Hanne Staff 氏はWOCMiddleEuOCMiddleでそれぞれ優勝しています。

Posted by Inoue at November 18, 2004 03:45 AM